Platinum Interview2018年7月

第4回

ジュエリーサロン鶴

長野県松本市

(有)鶴コーポレーション 代表取締役

鶴木 健氏

市内に散見される古いなまこ壁の土蔵は、国宝松本城と共に街のシンボルとして親しまれています。民芸品や民芸家具が有名な歴史ある山あいの街は、ともすれば郷愁のみで語られがちですが、ここ松本は、アルプスを背景とした美しい自然に現代文化が調和し、また白と黒のモダンな蔵が西洋的なモチーフにも不思議と融合して、芸術の香り漂うエリアを形成しています。

1994年に松本市内に創業したジュエリーサロン鶴さんは、ちょうど20年前、蔵を活用した市内の再開発を機に現在の場所に店舗を移し、アンティークモダンな「蔵の宝飾店」として生まれ変わりました。松本に根を張った唯一無二の宝飾店であるこの瀟洒なお店で、創業者である鶴木社長にお話を伺いました。

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お取扱商品の特徴を教えてください。

他店にないデザインやオリジナリティを大切にし、自分自身で商品開発もしています。特に地元ならではの表現に拘り、信州の民芸品などからヒントを得ることも多く、新作には長野県産材を使い木曽の漆で仕上げたウッドアクセサリーを開発しています。

現在、売り上げで言うとブライダルとその他一般ジュエリーで半々といったところで、最近は特に、リフォームの需要が伸びていますね。リフォームの場合は、せっかく作り変えるのならプラチナでという方が多いですね。

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ブライダルジュエリーの販売状況はいかがですか。

市内にもブライダルチェーン店が次々と開店し競争にさらされる中、少子化の影響もあり、10年前と比べるとブライダルリングの売り上げは厳しくなりました。しかし、信州の自然や文化をモチーフにした自社オリジナルの「しなの」をはじめ、他店にないブランドを揃えて差別化を図っています。その結果、拘りのある消費者に支えられていると思います。

婚約・結婚指輪そのものや素材に対する意識が希薄化していると言われるけれど、お店に来る若い方は、依然としてブライダル=プラチナというイメージをお持ちなので、プラチナの説明と共にご紹介しています。もちろん、素材より価格で同デザインのホワイトゴールド製を選ぶ男性もいますが、それでも女性用には、特にダイヤの入っているリングには必ずプラチナをお勧めしています。

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PGIとも長くおつきあいいただいています。

初めの頃からPGIの企画にも積極的に取り組んできました。
「POSY」が人気を博した90年代後半には、1コーナー全てPOSYで展開していました。2007年「サンクスデイズ・プラチナ」が始まった時には、寺尾聰さんの映像を使って映画館CMも実施しました。また2011年には「プラチナ・エキスパートセミナー」にも参加しました。

POSYに話を戻すと、愛のメッセージを刻んだプラチナ・ジュエリーというコンセプトは現代でも受け入れられるのではないかと思う。特に今の男性は、草食系、恋愛下手などと言われ女性に対してなかなか積極的になれないけれど、POSYのプラチナ・ジュエリーを女性にプレゼントすることで、刻まれたメッセージに思いを託すことができる。世の男性たちの背中を後押しできるのではないかと思っています。

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今後の展望をお聞かせください。

蔵の宝石店として20年になりますが、大きく10年単位での構造変化があるように思います。その意味で現在は、次の10年に向けての過渡期。市場を見極め、変わらずに残し守っていく部分と変えていくべき部分を考えていかなければと感じています。

最近、10年前のお客様がまた来店するケースも増えてきました。当店も次の世代に任せられるようになってきたので、もしかしたらこのあと更に数十年とこのお店が続いていくかもしれない。ジュエリーサロン鶴は、今後も「頼れるまちの宝石屋さん」として松本の地に根付いていきたいと思っています。

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